2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530289
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
須貝 栄 Tokyo International University, 商学部, 教授 (40154439)
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Keywords | 経営学 / 異文化マネジメント / リーダーシップ / 相互接触 / チームワーク価値 |
Research Abstract |
質的アプローチに基づいたインタビュー調査の分析を行った。インタビュー調査方法は、現象学的アプローチに基づいた非構造的インタビューであり、異文化間相互接触リーダーシップという現象を対象として、インタビューイーが研究対象の現象を経験した際に得た生の意味を分析・記述するものである。インタビューイーは、英国籍を持つ社長が起業したITを中心としたインターネット・マーケティングと金融を手がける在京ベンチャー企業に勤務する社長および社員(6人:日本人3名、英国系3名)であり、異なる国民文化背景を持つ者の間(異文化間)で、職場においてリーダーシップ行使を伴う相互接触を日常的に行っていた。中国系アメリカ人の共同経営者と共に英国籍社長は、HP上で公開しているぐらい明確な企業目標・経営戦略・組織構築を樹立すると共に、これらを実現するために強力なリーダーシップを行使していることが社長本人および社員の証言からも確認された。暫定的な分析結果は、アングロ・サクソン文化の者がリーダーとなった場合、チームワーク価値として、1.公式権威に基づく課業達成志向を受容する価値、2.友好的な行動についての価値、3.支配に関する価値の順で成立するリーダーシップを行使しているように思われる。この暫定的な知見は、日本人がリーダーとなった場合において3、1、2の順で構成されるリーダーシップと対照的である。しかし、調査参加企業は、1.いわゆる外資系企業(外国に本社がある日本支社・現地法人)ではなく、日本国内で設立された株式会社(K.K.)であり、2.したがって、海外本社のグローバル経営戦略に沿ったアジア・日本市場の展開というタテ関係が欠如しており、さらに、3.日本人調査参加者全員が米国内の米国企業、欧州内の欧州企業、または日本国内の外資系企業のみの勤務経験を有するという複数の特殊要因が認められる。したがって、第2年次終了時において、現状は、結論に至るまでデータが整っていない。今後も調査対象企業を増やし、データ収集に尽力する予定である。
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Research Products
(1 results)