2008 Fiscal Year Annual Research Report
中小企業の経営革新と創業に対するフランチャイジングの有効性の検証
Project/Area Number |
18530301
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
小嶌 正稔 Toyo University, 経営学部, 教授 (40215257)
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Keywords | フランチャイズ / 新規開業 / ビジネスモデル / 起業家 / ニセの起業家 / 経営革新 / 創業・開業 |
Research Abstract |
本年度は、フランチャイジングのシステム的発展を経営革新機能の側面から研究すると共に、システムとしての発展と創業機能変化についてまとめた。フランチャイジングの創業機能の変化については、独立型の起業家とフランチャイジング起業家の比較等から,フランチャイジングの創業機能と創業者が持つ特徴を明らかにすると共に,フランチャイジング起業を活発にするためには,積極的な情報開示を通してフランチャイジングの透明化を促進することが必要であることを明らかにした。フランチャイジングの創業機能の分析には,東京大学社会科学研究所附属日本社会研究情報センターSSJデータアーカイブの個票データの提供を受け,新規開業実態についてフランチャイジーの視点から分析した。 また、昨年度まで進めてきたビジネスシステムの発展に関する研究では、ビジネスモデルのひとつであるフランチャイズ・システムの生成・発展過程の考察などを通してビジネスモデルの3つの概念を整理した。その上で「ビジネスモデルの評価フレームワーク」によってフランチャイズ・システムを検証し,一般化と模倣困難性という相反するビジネスモデルの特徴について考察した。 さらに、フランチャイズ組織における複合形態の限界について、米国などの「分離法」を取り上げ、この法律がどのような過程を経て成立し,制定後どのような評価を受けてきたかを示し,わが国における分離法導入に関する議論に対して理論的基盤を提供した。分離法はまさしくフランチャイジングの複合形態の限界を明確に表したものであり,分離法に関する検討は直営,フランチャイズの複合業態における競争や役割の変化,システム内の役割の再確認にきわめて有効な考察であった。
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Research Products
(3 results)