2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中田 範夫 山口大学, 経済学部, 教授 (90146142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉 和郎 独立行政法人国立機構山陽病院, 臨床研究部, 副院長 (70241271)
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Keywords | 病院経営 / 診療科別原価計算 / バランスト・スコアカード |
Research Abstract |
150床以上のベッド数を有する全国の1821カ所の病院に対して経営管理機能についての郵送アンケート調査を行った。その結果、442病院からアンケートを回収することが出来た。下記の論文はそのうち300床以上の病院について分析し、それと2年8ヶ月前に行った同様な調査結果との比較を実施したものである。その結果、以下のことが発見された。 (1)経営管理を担当する部署がより多く設置されるようになっている。しかもその部署は事務系職員のみで構成されるケースが増加している。 (2)電子カルテの導入状況は前回17.6%から今回28.3%と増加している。また、その資金源泉については自己資金が多くなっている。 (3)目標管理の採用病院が僅かであるが増加している。しかも、目標管理による業績評価を個人単位にまで利用しようとしている病院も増加している。しかし、全体的にはそれがインセンティブに関連づけられていないという状況には変化が見られない。 (4)BSCの採用病院は前回6.3%から今回16.9%へと増加していた。ただし、導入後の経過期間が短いこともあってかその効果について58.1%が「現状では評価が下せない」としており、これに対して「期待した効果が出ている」としているのは29.0%のみであった。これについては今後の追跡調査が必要であろう。 (5)原価計算システムの採用についても前回30.2%から今回39.7%へと増加している。しかも、制度的原価計算として実施するようになっている。原価の集計単位としては今回も前回も「診療科や病棟」が圧倒的な数字に上っている。 (6)活動基準原価計算の採用はまだ少なく2.2%(4病院)であった。我が国の病院ではその必要性が感じられていないことがわかる。 (7)前回の調査項目にはなかったのであるが、外部評価についてはその認証取得が相当に進んでいることがわかる 150-300床の病院については現在論文を投稿中である。なお、このアンケートを基礎にして、全国の10カ所の病院に対して聞き取り調査を行った。これらの病院と継続的な連携を取っていくつもりである。また、山口市内にある病院と連携してBSCに関する検討会を開催している。
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Research Products
(1 results)