2007 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリアにおける映像コンテンツ政策の有効性に関する研究
Project/Area Number |
18530394
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Research Institution | Siebold University of Nagasaki |
Principal Investigator |
香取 淳子 Siebold University of Nagasaki, 国際情報学部, 教授 (90269259)
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Keywords | オーストラリア / クリエーターの育成 / アニメーター / クリエイティブクラス / クリエイティブ産業 / 映像コンテンツのグローバル化 |
Research Abstract |
18年度に実施した聞き取り調査の結果をまとめた。特に映像コンテンツの流通に深く関与すると思われる字幕についての情報を中心にまとめ、逐次、雑誌に発表した。その一方で、映像クリエーターの育成に関する情報を収集し、19年度の現地調査の準備を行った。その結果、ブリスベンのグリフィス大学が積極的にクリエーターを育成しようとしていることが判明した。同校は4月にフィルムスクールを開校し、オーストラリアで初めて高度映像技術者としてのアニメーターの学位を授与できるようにしていた。 9月、ブリスベン・フィルムフェスティバルの一環として、グリフィス大学出身のアニメーターで同年、アカデミー賞を受賞した『ハッピーフィート』の製作に貢献したアニメーターのダミアン・グレイの講演が開催された。そこで、その講演会に参加し、製作過程についての報告を聞き、簡単なインタビューを実施した結果、映像表現の領域でデジタル技術が駆使されており、新たな表現の地平が切り開かれつつあることを知った。と同時に、クィーンズランド州政府が映像コンテンツ製作に意欲的な取り組み姿勢を示していることも知った。とくに、グリフィス大学のフィルムスクールの開校に際しては当時のピーター・ビーティ首相が支援しており、将来への布石を打っていたこともわかった。 グリフィス大学フィルムスクールで聞き取り調査を行った日、バスをチャーターして見学に訪れていた中国人の一行を見かけた。高度な映像技術者の育成が急務になりつつあることが示唆されていた。その後、メルボルンにも出かけてみたが、ブリスベンで経験したような映像コンテンツ製作への期待と実践を目にすることはできなかった。日本に帰国してから関連する種々の情報を収集し、映像コンテンツ製作、とくに3Dアニメーションについてブリスベンで聞き取り調査をした結果を踏まえ、雑誌に発表した。 映像コンテンツ製作は映画ばかりかテレビ、ゲーム、広告業界で必要とされており、高度な映像技術者の育成は今後ますます重要になることを確認することができた。
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Research Products
(3 results)