2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530407
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
穴田 義孝 Meiji University, 政治経済学部, 教授 (00101387)
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Keywords | 郷土のことわざ / 文字データ化 / 習俗規範 / 社会意識 / 対人関係 / コモン・センス=常識 / インタビュー調査 / 広報運動 |
Research Abstract |
「郷土のことわざ文献蒐集調査」は、これまでに行けなかった地域の補完調査を実施した。2009年夏には、新潟、岩手、茨城、千葉、2010年3月には、福岡、佐賀、長崎、熊本の各県立図書館である。また随時、各地の市町村立図書館を調査した。ところが、市町村立図書館は、主に高齢者の溜まり場であったり、大学受験生などの自習の場であり、かつ「郷土の資料」はほとんど集められていない状況である。「郷土のことわざ」などの資料こそ、こうした図書館にあることで、活用され、伝承されると言える。 身近な図書館がこうした現状であり、各地の住民、特に若者は「郷土独自のことわざ」の存在すら十分認識していないと考えられる。伝承者である高齢者がいなくなれば、口頭伝承されてきた「郷土のことわざ」は消え失せてしまう可能性が高い。 今後、失われつつある「郷土のことわざ」を伝承者からインタビュー調査により聞き出し、さらに文字データ化する必要がある。こうした資料の存在を広報し、地域での活用などの運動を展開していきたい。筆者等が昨秋に設立した「日本ことわざ文化学会」を中心に組織的な運動とする予定である。 4年間の調査で、コピーしてきたデータの形式は不統一であったので、業者に委託し、統一した形式で活字化してきた。そして、こうした基礎データは200を超えた。 今後、こうしたデータを活用し、各地区別の対人関係の習俗規範、生業観、婚姻観、民間宗教観、自然観などを統合的に分析し、地域の常識を探り出すと共に、いくつかの小さな枠組みの文化圏を想定したり、比較するような分析も行いたい。さらに、再調査やインタビュー調査、広報運動などを継続していくつもりである。
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Research Products
(3 results)