2008 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルワーカー養成のための大学統合カリキュラムの開発
Project/Area Number |
18530469
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
SUNG Lai Boo Hyogo University, 生涯福祉学部, 教授 (60299138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 美也子 武庫川女子大学, 文学部, 准教授 (50309027)
木林 友里夏 吉備国際大学, 社会福祉学部, 助教 (30309603)
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Keywords | 学士課程 / ソーシャルワーク教育 / カリキュラム / グローバル基準 / 国際ソーシャルワーカー連盟の定義 / 統合化 / 学士力 / 専門職養成 |
Research Abstract |
1)新カリキュラムは社会福祉士国家資格には必要な内容であろうが、IFSWの「ソーシャルワークの定義」と照らし合わせると、専門職養成の視点から十分な内容にはなっていない。特に人権と社会正義の原理や社会変革、ソーシャルアクションなどマクロ実践の視点が弱い。大学では教育目標に合わせた内容、構成、選択、順序、関連性、統合、教育の結果を考えた上でカリキュラムに反映させる必要がある。2)科目については人間の生物的・心理的・社会的機能の統合化と統一性が必要である。たとえば、IFSWの定義にもある「人間の行動と社会システムに関する理論を利用し、人と環境の接点に介入する」ためのアセスメントに必要とされる知識を得る専門科目をソーシャルワーク以外の専門家が教えるといった教員要件は旧カリキュラムと基本的に変わっていない。これらの科目は、一般教養科目でそれぞれの専門家から基礎理論を学び単位取得をした上で履修するといった専門的な科目に再編し、ソーシャルワークの専門家が教えることが望ましい。3)学部レベルでのソーシャルワーカー養成をするためには、各科目の目的、内容を十分検討した上で、科目間の関連性を明確にし、それらを統合化するためのFDや研究会等が学内外で必要である。特に、各科目をさまざまな専門家が教えている現状では、担当教員が学部カリキュラムの全体像を共通理解し、各科目群でのコミュニケーションによる相互理解と議論、そして、継続的なカリキュラム研究が不可欠である。4)大学独自の教育理念・目標・目的とソーシャルワーク専門職がもつ理念、使命、目的との関係を明確にし、利用者および社会的ニーズ、目標・目的、構造、選択、順序、関連性、統合、教育の結果とその評価を含めたカリキュラム・デザインが必要であるといえる。
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