2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530473
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Research Institution | Ryukoku University Faculty of Junior College |
Principal Investigator |
黒川 雅代子 Ryukoku University Faculty of Junior College, 短期大学部, 准教授 (30321045)
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Keywords | 遺族支援 / グリーフケア / 医療ソーシャルワーカー / 救急医療 / 実践モデル |
Research Abstract |
本研究は、平成18年度より3年間の計画で、救急医療施設において、患者の治療中から死後までの継続した家族・遺族支援をおこなうための実践モデルを開発することを目的として実施した。 本研究の最終年である平成20年度は、平成18、19年度に実施した遺族への質問紙調査の追跡調査をインタビュー形式で実施した。救命救急センターで受けた治療や対応について、質問紙には記載されなかった発症から治療、死亡、死亡退院後現在に至る家族のプロセス等について聞き取りながら、救急医療施設でどのような支援が遺族にとって助けになったのか、また不適切だと思われた点等について確認した。 遺族の回答には個別性があり、統一した見解を導き出すことは困難であった。例えば、対面した遺体がきれいだったことに安心する遺族もいれば、「遺体がきれいだったことで、なぜ死に至ったのか、そして本当に治療してもらえたのかという疑問をもった」と答える遺族もいた。家族の治療場面への立会等についても賛否両論であった。 しかし共通している点もあった。家族・遺族にとって、「患者は最善のことをしてもらえた」と思えることは重要なポイントであり、それは医療従事者との関わりの中でしか、形成できない点であった。 本調査と平行し、研究協力病院において看護師、医師と初期対応に当たる事務職員の意識調査が実施され、救急外来でのケアについて検討がなされた。 これらの研究結果を踏まえて、現在「救急医療における遺族支援のための実践モデル」を試案作成し検討中である。
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Research Products
(3 results)