2008 Fiscal Year Annual Research Report
制度の維持と変化を司る心理的基盤とその進化的・文化的要因
Project/Area Number |
18530482
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡部 幹 Waseda University, 高等研究所, 准教授 (40241286)
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Keywords | ゲーム理論 / サンクション / 協力 / 懲罰 / シグナリング / 社会的ジレンマ / 信頼 |
Research Abstract |
今年度は昨年度までの研究結果の整理と発表を中心に行った。まず、公正感と分配に関する日米比較研究の論文をJournal of Economic Psychology(査読あり)に掲載し、さらにサンクションの分類とその規定要因についての実験論文を社会心理学研究(査読あり)に掲載した。同様にサンクションの分類と信頼感との関係について、法学書のチャプターとして出版したほか、進化生物学の学会にて、その知見を報告した。 昨年度までに行った脳イメージング法を用いた実験の結果を、2つの国際学会で発表し、そこでのコメントをもとに予備実験を行った。 残念ながら本実験までには至らなかったが、今年度以降の研究の基盤となる知見を今年度にまとめることができたのは大きな成果である。 また評判情報を用いた不確実性の低減について、新たな実験を行い、その結果を日本心理学会にて報告し、これまでの研究結果をまとめてアメリカ社会学会にて発表した。 その他、評判情報の活用による社会的ジレンマの解決について、数理解析を行った結果を人間行動進化国際学会にて発表し、フィードバックを得た。現在この知見の英文論文化を進めている。 その他には、サンクショニングと信頼研究の知見を発展させた結果、集団協力率と集団間葛藤についての新たな仮説を得たため、早稲田大学にて集団実験を行い、ある程度の結果を得たため、今年度国内にて発表する予定である。また評判情報の選択について、京都大学と早稲田大学で実験を行い、その一部は上記学会にて発表したが、本格的な比較文化実験を今年度行う準備を完了させた。これらの知見も今年度の学会にて発表予定である。
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Research Products
(9 results)