2008 Fiscal Year Annual Research Report
「遊びながらの発達診断用具」の開発と「出前発達相談」システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
18530550
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Research Institution | Shiraume Gakuen University |
Principal Investigator |
西村 章次 Shiraume Gakuen University, 子ども学部, 教授 (00008731)
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Keywords | 遊び / 発達診断 / 発達診断用具 / 出前発達相談 / 障害児者 / 気になる子 / 相談システム / 遊びながらの発達診断 |
Research Abstract |
子どもが喜ぶ「遊びながらの発達診断用具」を昨年度まで開発し、健常児を対象に開始したデータ収集を続け、108のデータを得た。23項目について、3歳半までから6歳半以降、6ヵ月ごとを基本枠とした8群に分け、通過率とSDを出し、50%以上の通過率をもって各項目の推定年齢とした。評価は、「できる」、「教えるとできる」ないし「ほぼできる」、「できない」の3つより成っている。これに基づき、発達推定年齢を含んだ診断記録表を作成した。「出前発達相談」システムでは、複数による診断を基本に、「プレールーム等における診断と相談」、「保育園等出先機関における診断と相談」、「在宅における診断と相談」システムが可能であることが立証された。また40名を越す「気になる子ども・者」や障害が特定された子ども・者の診断において、市販の検査道具を行うさいも、はじめに本「遊びながらの発達診断用具」を用いることによって、子ども・者が緊張をほぐし、リラックスして市販のテストにとりかかれること、あらかじめ本「用具」の実施によって、子ども・者の発達年齢や障害傾向を推定した上で市販のテストを活用できることが分かった。診断後、別室で家族や先生方と発達課題等について話し合っている時間も、子どもや障害をもつ青年・成人がおもちゃとして本「用具」を用いていることにも気づいた。 3年間に亘る本研究の第1の目標である、カラフルで子どもや障害児者が楽しめる「発達診断用具」が完成し、「個別指導計画」の作成に寄与することが明らかにされた。 なお、本「用具」は、重金属やホルマリンが入らない水性の塗料食品規格を用い、磁石も紙磁石を用いる等、児者の安全にも十分配慮している。
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