2006 Fiscal Year Annual Research Report
錯視図形を用いた乳児の視覚発達に関する実験心理学的研究
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18530567
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
金沢 創 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (80337691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 明佳 立命館大学, 文学部, 教授 (70234234)
山口 真美 中央大学, 文学部, 教授 (50282257)
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Keywords | 乳児 / 視覚 / 脳 / 錯視 |
Research Abstract |
本年度は主に、知覚発達に関する運動視と形態視、および脳の発達に関する様々な研究を行った。運動視については、反対に運動するドットを組み合わせることでグローバルな面が知覚される運動透明視を用いて、乳児の高次な運動視の発達を検討した。その結果、乳児は5ヶ月ごろから、MT野などの高次な皮質が発達してくることが明らかとなった。この結果は、2007年発行の学術雑誌、Perception誌に掲載された。また、乳児の形態視の発達については、重なりの知覚や隠されたものがわかるかなどの、これも高次な知覚について、amodal補完の刺激を用いて発達を検討した。その結果、これも乳児は4,5ヶ月ごろから図形の重なりを知覚できることが明らかとなった。これらの結果も2006年発行のPerception誌に掲載されている。また、脳の発達については、近年発展してきたNIRS(近赤外分光法)を用いて、乳児の顔認知について検討した。その結果、乳児は6,7ヶ月ごろになると、顔に認知にたいする右側頭葉の活動が高まることが明らかとなった。この結果、雑誌Neuroimage誌に掲載され、また、あわせて行われてた記者会見にておいて大きく取り上げられ、読売新聞、毎日新聞、朝日新聞、などに写真つきで大きく取り上げられた。さらにこれらの成果をもとに、東京女子医大のグループと共同で、知覚をベースとした赤ちゃんの健診プログラムの開発に着手した。この健診プログラムは、将来的には全国の小児科などの施設において、用いられることを念頭に引き続き開発を行っている。その他赤ちゃんの色錯視に関する研究(Infant and Child Development誌に掲載決定)、赤ちゃんの奥行き知覚に関する研究(Vision Research誌に投稿審査中)、赤ちゃんの動きと形の統合に関する研究(Journal of Experimental Psychology誌に投稿審査中)、など多方面の乳児の知覚発達プロジェクトが進行中である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Neural activation to upright and inverted faces in infants measured by near infrared spectroscopy2007
Author(s)
Otsuka, Y., Nakato, E., Kanazawa, S., Yamaguchi, M.K., Watanabe, S., Kakigi, R.
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Journal Title
Neuro Image 34(1)
Pages: 399-406
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