2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530571
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
前田 英樹 立教大学, 現代心理学部, 教授 (20181589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 佳久 立教大学, 現代心理学部, 教授 (00133455)
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Keywords | 感覚・知覚 / 映像美 |
Research Abstract |
既存の実写動画像作品より身体動作表現を抽出し,事例研究を行なった。一般に,連続提示された動画像の系列は質的に異なる幾つかの事象に分節化する。例えば複数の映画ショットが連続提示された場合,観察者は時系列上に提示された幾つかの「できごと」を認識できる。この現象は,動画像の配列に基づく時系列上に「かたちとしての事象」が継起する知覚的群化として理解できる。複数の動画像が一連のできごととして知覚されるとき,当該の動画像間は主観的に連続する。一方,複数の動画像がそれぞれ異なる複数のできごととして知覚されるとき,できごとの境界で動画像間は分凝する。動画像間の連続と分凝は,動画像系列に知覚される事象の基盤と考えられる。事例研究を基盤に,実験的研究で動画像間の連続性を促進する要因を検討した。先行研究と予備観察より,個々の動画像内に知覚される被写体動作が「未完了」であるとき,当該の動画像を連続提示した動画像間に連続性が知覚されると予想できた。例えば画面枠を横切る身体動作を示す動画像で,被写体である身体が画面枠によって完全に遮蔽される直前で動画像提示を終了するとき「未完了」の印象が生じた。予備観察に基づき,実験用の動画像を制作した。動画像の内容は,被写体である1)人物の全身像(実写),2)人物の関節にとりつけた13の光点群(バイオロジカル・モーション)が画面枠を右から左へ横切る歩行動作であった。被写体の種類ごとに異なる条件操作を行い,2種類の実験を行なった。その結果,被写体動作の未完了性を動画像の提示時間(T)と画面(被写体可視領域)幅(D)の比率(T/D)で記述できる可能性が考えられた。実験1より,特定のT/D比で動画像間の連続性が高まる可能性が示唆された。実験2より,動画像の連続性を促進するT/D比を維持すれば,異なる身体動作間にも連続性が生じる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)