2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530571
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
前田 英樹 Rikkyo University, 現代心理学部, 教授 (20181589)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 佳久 立教大学, 現代心理学部, 教授 (00133455)
鈴木 清重 立教大学, 現代心理学部, 助教 (30434195)
|
Keywords | 感覚・知覚 / 映像美 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの研究成果をまとめ、研究成果報告書を編纂した。動画像系列の知覚に関する実験的研究に基づき、動画像系列の知覚体制化理論を提唱した。特に、1)動画像群化の法則性を種々の異なる条件下で検証・確認し、2)動画像配列による身体動作表現が映像全体の認識と美的評価に及ぼす効果を考察した。1、2の知見を整理することにより日常的な映像制作の現場での応用を目指し、3)実際の映像制作において低資源で効果的に美しい表現を成立させる方法を考察した。 研究成果研究計画の当初、身体動作を表現した映像の体験(見え方)には、1)情動反応(迫力)2)事象知覚(何をしている動作なのか認識できる)という2つの次元があると考えられた。本研究の実験では主として後者の次元を扱い、動画像配列の技法と動画像群化の現象により単独動画像では知覚されない身体動作が動画像の系列に知覚される事例を研究した。身体動作表現の映像美には、1)単独動画像が示す身体動作の美しさと、2)動画像配列に基づく身体動作の美しさの2通りがあると考えられた。一つの作品の中で、これらが併存していることが一般的であり、一つのシーンの中で併存することも珍しくなかった。単独動画像の身体動作表現によって映像美を実現するためには、被写体の高度な身体技能が要求される。低資源で効果的な身体動作表現の映像美を実現するためには、動画像配列の技法を用いるべきであると考えられた。今後は、動画像配列による身体動作に関わる事象知覚を種々のパターンに分類し、情動反応との関係性を検討する必要がある。動画像作品にみられるより広範な身体動作表現の事例収集を計画的に拡充し、データベースを精緻化することが今後の課題である。
|
Research Products
(2 results)