2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530635
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
高津 芳則 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (90206772)
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Keywords | 教育学 / 国歌教育 / 愛国心 / 公民教育 |
Research Abstract |
1999年国旗国歌法により、日の丸・君が代は国旗・国歌となった。しかし同法は尊重義務規定を欠くのであって、国民は自らの思想良心の自由にもとづいて対応することとなった。しかし、学校教育において、なぜ日の丸・君が代の「強制」があるというと、それは学習指導要領の存在があるためである。フランスでは、なぜ2005年秋より、法律によって国歌の教育を義務づけなければならないのか(小学校・公民教育)。フランスにおいても、日本の学習指導要領にあたる文書(プログラム)には、小学校基礎学習期の学習として、「教師はフランス共和国の偉大なるシンボルの意味について生徒に説明すること:国歌、国旗、いくつかの記念建造物・・・」と規定している。つまり小学校では、ラ・マルセイエーズを教えることとされているのである。しかし日本のように、入学式・卒業式でラ・マルセイエーズを歌うということはない。それは、公民教育の中で、教えることが求められているだけである。また、フランスにおいて小学校教員に対する評価権をもっているのは、視学官であり、校長は視学官の視察に協力するのみである。つまり日本のように、厳格にチェックするシステムがそもそもないといえよう。それゆえ、プログラムの規定をより強化するため、法律による義務化が行われたと言えよう。 法321-3条 「小学校でおこなわれる初等教育は、法321-1条で規定する期間を通じて割り当てられた統一的プログラムに従う;導入期は、可変的期間として構成する。 この教育は、理解するための基礎的道具の獲得を保証する:口頭表現、書き言葉、読み方、計算;この教育は、知性や芸術的感性、手作業、身体、スポーツの資質を育成する。この教育は、外国語の初等学習、そして造形および音楽芸術の初歩を提供する。この教育は、家庭と協力して道徳教育を保証し、および国歌とその歴史の学習を義務として含む公民教育を提供する。」 (アンダーラインが議員立法として修正可決) なお、フランス教育学会に論文投稿(2007年3月末)し、結果待ちとなっている。
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