2006 Fiscal Year Annual Research Report
世界名作再話にみられる物語の放送形態に関する構造分析的研究
Project/Area Number |
18530735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
畠山 兆子 梅花女子大学, 文化表現学部, 教授 (50172911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 雅子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50173927)
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Keywords | テレビ・アニメーション / 再話 / 物語の放送形態 / 映像の表現形態 / 名作児童文学 / メディア・ミックス |
Research Abstract |
研究課題である世界名作劇場が、社会の動きとどの様に関わり、メディア・ミックス状況が子どもの物語環境に、どのような影響を与えるたかを確認するため、その第一歩として、1963年1月、「鉄腕アトム」に始る国産テレビ・アニメーション史の再検討をおこなった。それは、2000年9月に、松山雅子と共著で出版した『物語の放送形態論』(世界思想社)の新版(2006年3月出版)に反映されている。 その作業の過程で、27年間、28作品の世界名作劇場がどのような経過を経て成立し、終焉を迎えたのかを、作品選定と視聴率の関係から検討を試みた。畠山の紀要論文「名作アニメーション番組の成立と変遷」である。制作者側の発言を中心に、スポンサー側の意向に沿いつつ、放映当時の子どもの期待に沿うように、原作をどの様に脚色したか等を、アニメーション雑誌「アニメージュ」への投稿や人気番組アンケートを取り上げ分析した。この点については、未見のその他の雑誌の投稿欄を検討する作業が残されている。 それらの結果を踏まえて、女の子を主人公とした番組として「小公女セーラ」、少年を主人公とした番組としては「ピーターパンの冒険」を名作の再話の一典型として取り上げ、今後次の調査と検討をおこなう予定である。 (1)原作との比較 (2)メディアミックス状況 (3)視聴者の受容状況 18年度の研究成果である松山雅子の論文、「第1教育段階におけるリテラシー指導方法略指針体系の考察-語・文・テクストレベルの相関に学ぶ文学テクストを中心に-」は、今後(1)と(3)を検討する基礎的研究として行われたものでもある。 19年度は、映像分析の方法論の模索に力を注ぐとともに、子どものテレビ視聴の実態を明らかにするため、アンケート調査をおこなう。また、20年度にはその成果を出版することを計画している。
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Research Products
(3 results)