2008 Fiscal Year Annual Research Report
1990年代以降のインクルーシブ教育の展開におけるスウェーデン・モデルの解明
Project/Area Number |
18530754
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
二文字 理明 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 教授 (00030461)
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Keywords | 1990年代 / インクルーシブ教育 / スウェーデン |
Research Abstract |
1990年代以降のインクルーシブ教育の展開に関するスウェーデンモデルの解明という大命題に従って研究を継続した。当初の目標として掲げた3点のうちの2点を巡って記述する。 (1)教育政策・教育行政の分野での実態の把握 ・学校教育法・教育課程を中心に改訂も考慮に入れながら再構築し、スウェーデンの法律集成として整理し、編纂した。桜井書店からまもなく刊行される。法的な制度を明確化した上で、理念を考察するためにも、法律集の編纂は重要である。 ・現在の保守系連立政権による法改正意欲は旺盛で、近々、改訂が見込まれるが、未だ、国会を通過してはいない。この点に関する情報収集に努めている。できれば可能な限り、最終報告には反映させたい。 (2)障害者教育に関する教育組織の再構築の様相の把握 ・スウェーデンのストックホルムおよびエレブロにおいて、視覚障害児、聴覚障害児のインクルーシブ教育に関する情報を収集するように努めた。 ・スウェーデンのインクルーシブ教育を、EUを中心とする国際的視野で位置づけるために、EUへのスウェーデン代表部の関係者に取材し、資料を整理分析の過程である。 以上2点の他に、第3として、就学先決定への親の関与の内実の解明を量った。しかし、十分な成果を得られないまま推移している。裁判所の判例集に当たりながら教育省の担当部局と折衝したが、平成20年度は具体化に至らなかった。最終年度は再度チャレンジしたい。
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