2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530768
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | College of Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
平林 あゆ子 名古屋女子大学短期大学部, 准教授 (20340226)
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Keywords | 障害の理解 / 絵本 / インクルージョン / 絵本制作 |
Research Abstract |
インクルージョンの促しの教材として「障害を理解するための絵本」を学生、現役の幼児教育者、障害児をもつ保護者に指導して共に制作した。制作した「絵本」の内、高い評価を得た(1)ダウン症の子をもつ保護者の気持ちが表現されている『たいせつなあなたへ』、(2)自閉症の子をもつ保護者が、自分の子どもの状態を紹介し周りの人々の理解を願う『じゅんじゅん』、(3)ダウン症の子どもはそれぞれ個性があり、みんなと友だちになるために生まれてきたことを知らせる『かみさまからのおくりもの』を保育所などでの読みきかせのために、これらの「絵本」の仮製本を試みた。障害理解の効果測定にあたり、4つの保育所の園児にこれらの読み聞かせを行い、その効果について検討した。さらに、読み聞かせをした保育所の個々の保育士へのインタヴューと質問紙による調査を実施し、当面のデータを分析し検討した。そして障害を持たない人の「障害や障害児」の理解を深めるために、「絵本」の有効性と相互のコミュニケーション支援のあり方を検討し次の考察を得た。(1)「障がい」を子どもへ説明するには、単語の置き換えのみでの説明は困難で、障害種別に適切な文での表現が必要と思われる。例えば、先天性奇形:「お母さんのお腹にいる時に、からだにけがをしてしまった」など。(2)「障がい」の概念は子どもの身近なものに例えて説明すると理解しやすくなると思われる。(3)保育士の反応から、「絵本」による「障がい」の理解の導入として、「絵本」の効果が期待できる。(4)学生への「絵本」読みきかせや「絵本」制作は、「障がい」についての理解を促すばかりではなく、障がい児をもつ母親の気持ちを理解したり、親子の絆を見直したりする効果などが期待できることが調査により認められた。さらに、保育専攻学生、障害児をもつ保護者、小児神経医などの医療関係者への「絵本」の効果についての調査を開始した。
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Research Products
(4 results)