2006 Fiscal Year Annual Research Report
アフィントーリック多様体上の微分作用素環とその応用
Project/Area Number |
18540002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 睦 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (70215565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 浩二 大阪大学, 大学院理学研究科, 助手 (40283006)
山下 博 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (30192793)
島田 伊知朗 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (10235616)
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Keywords | 微分作用素環 / 半群環 / トーリック多様体 / ネター性 / 超幾何系 |
Research Abstract |
アフィントーリック多様体上の(アフィン半群環の)微分作用素環の構造の研究に関して大きな進展があった. 最も重要な問題としてこの微分作用素環のネター性の問題がある.以前,Travesとともに微分作用素の階数に関する次数環がネターであるための必要十分条件は,そのアフィン半群環がscoredであるということを証明した.従って,scoredなときは,元の微分作用素環が右ネターかつ左ネターであることが分かっていた. まず,scoredでなくとも,いつもこの微分作用素環は右ネターであることを示した.証明はscoredな微分作用素環から出発してRobsonの補題を順次適用して,半群が生成する錐の面に平行なものを有限個抜いたものに対応する微分作用素環も右ネターであることを導くという手順である.A-超幾何系はアフィントーリック多様体上の微分作用素環の右加群と対応するので,右ネター性の証明は,A-超幾何系への応用という観点からも極めて重要である. 次に左ネター性についてであるが,そのために,微分作用素環の右加群と左加群の対応を考察した.半群環がセールのS2条件を満たしているとき,canonical moduleの類似が考えられ,それを使って右左対応が得られる.さらに,S2条件よりも弱い或る条件の下でも同様のことができることが分かった.従って,この条件を満たしているとき,その半群環の微分作用素環は左ネターでもあることが分かった. さらに,左ネターであるための或る必要条件を与え,必要十分条件を予想した.
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