2006 Fiscal Year Annual Research Report
代数曲線の被覆の数論幾何-ガロア表現・フルビッツ空間・正標数
Project/Area Number |
18540027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉川 安騎男 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00243105)
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Keywords | 代数曲線 / 被覆 / 基本群 / ガロア表現 / フルビッツ空間 / 正標数 / 国際研究者交流 / 米国:仏国:英国:ハンガリー |
Research Abstract |
研究実施計画に記載の通り、Christopher Rasmussen氏(米Rice大)、Anna Cadoret氏(仏Bordeaux第1大)、Mohamed Saidi氏(英Exeter大)の来訪を受け、前年度からのそれぞれとの共同研究を継続発展することができた。特に今年度は、ガロア表現に関するRasmussen氏との共著論文1本の第一稿完成、フルビッツ空間に関するCadoret氏との共著論文1本の完成・投稿、及び正標数遠アーベル幾何に関するSaidi氏との共著論文2本の第一稿完成ができたのが収穫であった。 また、研究実施計画に記載の通り、研究代表者が組織委員を務める平成18年度数理解析研究所プロジェクト研究「数論的代数幾何学の研究」と協調して本研究計画を遂行し、特に、本科研費補助金を用いて、代数曲線の被覆の数論幾何の研究者であるTamas Szamuely氏(ハンガリー科学アカデミー)、Jakob Stix氏(米高等研)を招へい、本研究計画に関連する研究討論を行うことができた。また、プロジェクト関連で来訪したMinhyong Kim氏(米Purdue大)との共同研究により、副冪単基本群を用いて曲線の有理点を統制するKim氏の理論を発展させ、有理数体上のMordell-Weil階数1の楕円曲線から原点を除いて得られるアフィン曲線に対し、Siegelの定理の別証を得た(共著論文を投稿中)。 この他、部局の同僚で上記プロジェクトの組織委員でもある望月新一氏との共同研究により、代数曲線の配置空間の(副有限、副1または離散的)基本群に対し、より低い次元の配置空間への自然な射影から定まる「ファイバー部分群」たちが、群論的に特徴付けられることを証明した(共著論文を投稿中)。なお、この結果には、望月氏による曲線の配置空間の絶対p進遠アーベル幾何への応用がある。
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