2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540079
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 毅 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 准教授 (20273427)
|
Keywords | キャパシティー / シンプレクティック幾何学 / 楕円型モジュライ空間 |
Research Abstract |
ここでの研究目的は、シンプレクティック多様体の無限増大列からなる、無限次元シンプレクティック多様体上のキャパシティー不変量について研究を行なうことである。その不変量はどの程度のシンプレクティック球体がそれら多様体自身に埋め込めることができるか、その程度を計るもので、シンプレクティック多様体自身の構造を調べるために、極めて有効である概正則曲線のモジュライ理論と密接な関係がある。今年度の研究結果により、非コンパクト空間上での非線形楕円型偏微分方程式のモジュライ空間を構成するための土台と言える関数空間の設定を行ない、その上でのモジュライ空間の横断正則性定理を得た。無限次元グラスマン多様体上のケーラー形式はフロウのリー微分で保たれることが分かっている。そのリー微分の対応物は頂点作用素と呼ばれ、キャパシティー不変量が頂点作用素による作用で不変であることが自然に予想される。頂点作用素は形式的冪級数で与えられているため、一般にはバナッハ多様体としての無限次元グラスマン多様体上の作用素とはならずに、そのままではそこからはみ出てしまう。そこで、頂点作用素が作用する関数空間を上で構成したものを応用することで小さく取り直し、さらに、その関数空間においてケーラー形式が保たれ、さらにキャパシティーがその作用で不変になることが期待できる。そのためにはククシンによって行われた、ヒルベルト空間の開集合上でのキャパシティーの、フロウによる不変性を調べる解析的な道具を無限次元グラスマン多様体上に拡張することが必要と成る。
|
Research Products
(1 results)