2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540095
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
三好 重明 Chuo University, 理工学部, 教授 (60166212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三松 佳彦 中央大学, 理工学部, 教授 (70190725)
高倉 樹 中央大学, 理工学部, 准教授 (30268974)
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Keywords | 葉層構造 / Thurston norm / open book decomposition / 接触構造 / confoliation |
Research Abstract |
3次元多様体上の葉層構造に対し,W.Thurstonにより,その葉層構造がReeb成分を持たなければ,その葉に接する平面場のEuler類に関する所謂Thurstonの不等式が成立する事が示された.前年度までの本研究の成果として,必然的にReeb葉層を持つ回転可能葉層に対するThurstonの不等式の成立及び不成立それぞれの為の十分条件が得られている. 今年度は,より精しい不等式(Thurstonの不等式相対版)に関して,接触構造の葉層構造への収束という観点からの前年度までの研究成果を踏まえ,研究を深めた.また,Reeb成分を持ち,かつThurstonの不等式を満たす葉層構造で,それまでに知られているものは総てその(接束の)Euler類が自明であったが,非自明であるものを組織的に構成する方法を開発した.回転可能葉層のEuler類の非自明性を保証する或る条件が前年度までの研究で得られている.その条件を満たす回転可能葉層のReeb成分をDehn手術することによって,新しい葉層構造でReeb成分を持ち,Euler類は非自明であるものが得られる.このとき,D.Gabaiのsutured manifold理論により,元の回転可能葉層をうまく選べばThurston normが縮退するDehn手術は有限個であることが示せる. 3次元多様体の2次元homology群の単位多面体の記述に関しては,円周上の曲面束についてそれを計算するアルゴリズムを設計中である.その正当性を完全に証明するには至っていないが,多くの例を計算し,さらに回転可能構造について拡張する事によって回転可能葉層のReeb成分に沿うDehn手術に関するThurston normの縮退性について知見を深める事が期待される.
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