2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540103
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
黒瀬 俊 Fukuoka University, 理学部, 教授 (30215107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陶山 芳彦 福岡大学, 理学部, 教授 (70028223)
濱田 龍義 福岡大学, 理学部, 助教 (90299537)
川久保 哲 福岡大学, 理学部, 助教 (80360303)
松浦 望 福岡大学, 理学部, 助教 (00389339)
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Keywords | アフィン微分幾何 / ヘッセ多様体 / 曲線の運動 / 可積分系 / ハミルトン系 / 共形平坦超曲面 / 実超曲面 / 差分幾何 |
Research Abstract |
本研究は古典的微分幾何の諸分野を現代的な手法を用いて研究することを目的としており、平成22年度は可積分系理論の手法を用いた平面・空間内の曲線の運動とその差分化、4次元空間形内の共形平坦超曲面の具体的構成法と分類、複素空間形内の実超曲面の幾何などにおいて、以下のような成果を得た。 1.(1)KdV方程式階層・変形KdV方程式階層・バーガース方程式階層などの可積分系が付随する曲線の運動を用いて、これらの階層の双ハミルトン系としての定式化が幾何的に与えられることを示した。さらに、バーガース方程式階層の無限多重ハミルトン系としての定式化も与えた。 (2)差分幾何の観点から差分可積分系を調べることにより、非一様格子上の差分KdV方程式および差分変形KdV方程式が付随する平面折線の(時間的にも離散化された)運動を記述した。さらに、この結果を用いてこの2つの差分方程式の間の差分ミウラ変換を幾何的に導出した。 (3)局所誘導階層と呼ばれる3次元ユークリッド空間内の非圧縮性非粘性流体の渦糸の時間発展から導かれる可積分系を、より一般にユークリッド空間とは限らない空間形内で考え、その全進行波解を具体的に構成した。 以上の成果は、可積分系の構造を曲線の運動を通じて微分幾何・差分幾何的に研究することの有効性を示すものである。 3.4次元空間形内のある種の共形平坦な超曲面を具体的な積分表示の形で与えた。また、与えられた任意の共形平坦超曲面に対して、その双対というべきもう一つの共形平坦超曲面が存在することを示した。これらの成果は、今後より豊富に共形平坦超曲面の具体例を構成する上で大きな手がかりになるものと考えられる。 4.複素双曲空間内の実超曲面のうち、リー実超曲面と呼ばれる等質実超曲面について、その構造を解明する上で有効と考えられる曲率の評価式を与えた。
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Research Products
(3 results)