2007 Fiscal Year Annual Research Report
組合せ的デザイン理論を用いた周波数ホッピング系列の構成に関する研究
Project/Area Number |
18540109
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
繆 いん University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (10302382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 良叔 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (30165443)
三嶋 美和子 岐阜大学, 工学部, 准教授 (00283284)
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Keywords | 組合的デザイン理論 / 通信方式 / 符号理論 / 周波数ホッピング系列 / radar array / 分割型有向difference packing / 均質一様差行列 / 情報セキュリティ |
Research Abstract |
周波数ホッピング多重接続は、スペクトラム拡散通信の一種で、複数の利用者が与えられた広い周波数帯域内でそれぞれの送受信者が周波数を頻繁に切換えながら通信する方式である。異なる利用者がたまたま同じ周波数にぶつかってしまうこともあるので、できるだけこのような衝突が少ない周波数変換方式(周波数ホッピング系列)が必要になる。本研究の目的は、衝突が起る回数の下界値を満たす最適な周波数ホッピング系列を多様なパラメータ(周波数の数、系列の周期、系列の数)に対して構成することである。通信の安全性についても、離散数学的立場から研究する。 平成19年度は、主にradar arrayをはじめとした優れた周波数ホッピング系列を構成した。Radar arrayは特殊な周波数ホッピング系列で、周波数のずれを無視しても良いradar通信システムに使われている。関連している情報通信の安全性についても、離散数学的立場から研究した。また、これらの諸関連分野の専門家と資料提供及び情報交換を行った。 繆は、radar arrayと分割型有向difference packingとの同値関係を見つけた。その同値関係に基づいて、繆は、均質一様差行列の概念を導入し、radar arrayに関する再帰的構成法を示し、優れたradar arrayを数多く構成した。さらに、完全差集合族を用い、均質一様差行列を複数構成し、Zhang and Tuが1994年に提出した適切にcentered置換行列に関する問題を解決した。繆は、整数論や組合せ論を利用して、最適な系列間相関を持つ周波数ホッピング系列群も発見した。 三嶋は、difference packingの理論が応用できるconflict-avoiding符号の構成にも力を注ぎ、数多くの結果を得た。組合せ的デザイン理論の基礎研究にも取り組んで、巣型BIBデザインを複数構成した。 藤原・繆は、周波数ホッピング系列に密接に関連している通信方式の安全性についても、組合せ的デザイン理論の立場及び整数論的立場から研究した。秘密分散法及び認証符号に関する新たな結果を得た。
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Research Products
(14 results)