2006 Fiscal Year Annual Research Report
発展方程式に対するスペクトル選点法の応用とその数値安定性に関する研究
Project/Area Number |
18540124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
竹内 敏己 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (30264964)
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Keywords | スペクトル選点法 / 多倍長計算 / 偏微分方程式 / 高精度 / シミュレーション / 発展方程式 |
Research Abstract |
Laplace方程式のCauchy問題に対して、スペクトル選点法を用いた数値計算における数値安定性についての研究を行った。Laplace方程式のCauchy問題は非適切問題であり、差分法等の通常の数値計算法では安定して数値解を得ることが困難である。本研究では、離散化手法としてスペクトル選点法を用いた。Cauchy問題の数値計算をスペクトル選点法を用いて行う場合、Cauchyデータを出発点として、ある領域毎に数値計算を行い、解を次々に求める方法がとられる。このとき、前回の数値計算結果から値を引き継ぐのは計算領域全体の数値解ではなく、前回の計算領域と次回の計算領域との共通部分のみである。その共通部分の数値解を新たにCauchyデータとする数値計算で、計算領域全体の数値解が安定して得られるかどうかが数値計算がうまくいくかどうかを決定する。従って、ある領域でCauchy問題を解く場合に、数値計算で使用する選点に応じて計算精度が向上していけば、継続して数値解が安定して得られる目安が得られることになる。今回の研究では、矩形領域と円環領域におけるLaprace方程式のCauchy問題に対して研究を行った。計算精度を確認するために厳密解のわかっている問題を考え、それぞれの問題に対する数値計算を行った。まず、倍精度実数を使用した計算では、1変数に対する選点の数が30程度になると丸め誤差の影響でそれ以上選点を増やすと逆に計算精度が悪くなるという結果が得られた。このことから、Cauchy問題に対しては多倍長実数を用いた計算が必要とわかった。そこで、100桁と200桁の多倍長実数を用いた数値計算を行った。その結果、厳密解が滑らかな場合には、スペクトル選点法における1変数の選点数にほぼ比例した桁数の計算精度が得られた。ただし、厳密解が1点でも非有界な点を持っ場合には、安定して数値解を得ることが出来なかった。この点に関しては継続して研究を行う予定である。
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Research Products
(2 results)