2006 Fiscal Year Annual Research Report
様々な組み合わせ問題におけるグレブナー基底の有効性の検証
Project/Area Number |
18540145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
渡辺 芳英 同志社大学, 工学部, 教授 (50127742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 弘一 同志社大学, 工学部, 専任講師 (30314397)
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Keywords | グレブナー基底 / 誤り訂正符号 / 最尤復号 / 池上・楫アルゴリズム / BCH符号 / トーリックイデアル / グラフ上のネットワーク / 最大流問題 |
Research Abstract |
1)グレブナー基底を用いた2元線形符号の最尤復号(池上・楫アルゴリズム)の研究 様々なパラメータをもつ2元BCH符号に対して,付随するイデアルのグレブナー基底を数式処理システムAsirとSingularを用いて具体的に計算した.その結果,現存の計算機で計算できるのは符号長63程度であることがあきらかとなった.この符号長は実用上の符号長である127ないし255に比べて小さく,グレブナー基底の計算がこの程度の符号長で破綻するということになると,このアルゴリズムの実装は今のままでは非常に難しいといえる.しかし,このような計算の過程で,情報長が最も小さいBCH符号(最小距離が3の符号)に対してその符号に付随するイデアルの次数順序に関するグレブナー基底が,最小重みの符号語から完全に決まることが観察され,その事実は,完全符号の場合に一般化された予想として定式化され,その証明を与えることができた.さらに,非常に一般的な2元符号に対して,符号に付随するイデアルの辞書式順序に関するグレブナー基底は特別な形になることを証明することができた.前者は,符号に付随するイデアルのグレブナー基底が符号の組み合わせ的な性質から決まる場合があることを示唆しており,他のパラメータをもつBCH符号についても類似の結果が得られれば,数学的に興味深いだけではなく,実用上も意味のある結果となる. 2)トーリックイデアルを用いた最大流問題の解法アルゴリズムについて グラフのネットワーク問題の代表例である最大流問題を標準形の整数計画問題として定式化し,最大竜問題に付随するトーリックイデアルがどのようなものであるかを明らかにし,さらに,最大流問題の緩和問題に付随するトーリックイデアルについていくつかの結果を得た.以上の結果の一部はは2006年9月筑波大学で開催された応用数理学会において以下のようなタイトルで発表された ・吉武純子,渡逸芳英,池上大介「グレブナー基底を用いた最尤復号法」日本応用数理学会年会,筑波大学,2006年9月17日 ・宮城奈津子,渡逸芳英,池上大介「トーリックイデアルのグレブナー基底と最大流問題」日本応用数理学会年会,筑波大学2007年9月17日
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Research Products
(3 results)