2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
赤堀 次郎 立命館大学, 理工学部, 助教授 (50309100)
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Keywords | 数理ファイナンス |
Research Abstract |
2次金利モデルとそれに関連する数学の研究に甥成果を得るべく,2006年8月に金沢において国際研究集会を開催して海外から多くの研究者を招聘し,当該分野について議論を深めた.特にVienna工業大学のJosef Teichmann氏を招聰しより深く2次金利モデルについて議論をすることができた.また11--12月には共同研究者の矢野孝次氏にカルフォルニィア大学サンデイゴ校に出張してもらい,研究成果を発表してもらうとともに,今後の研究の方向性についてFitzsinmonz氏やGetoor氏などの超一流の数学者と議論することができた.3月にはやはり共同研究者の松下智氏を欧州に派遣し,ルンド大学(スウェーデン)とパリ第7大学で講演してもらうことで多くの数学者の意見を聞くことができた.以上の研究活動の成果として以下のような知見がえられた. 1.「反対称マリアバン解析」…L^2ウィナー空間を反対称フォック空間とみることで無限次元リー環の表現を具体的に構成することができるようになり、またその中でウィナー2次汎関数が大きな役割を果たすことを発見した(新田泰文氏,松下氏との共同研究). 2.「スーパー市場理論」…時間軸方向にヘッジ機会を増やすのではなく、「空間方向」に増やすことで静的ヘッジによるプライシングを目指す理論.フォック空間の構造に大きく依存した理論である(香西優生氏、松下氏との共同研究). 3.「確率微分方程式のガロア理論」…確率微分方程式の強い解・弱い解の成す空間への群の表現を構成した(矢野氏との共同研究). 4.2次金利モデルの拡張…レビ過程およびマルコフ過程への拡張が得られた(J.Teichmann氏,土屋貴裕氏との共同研究). これらの研究成果は現在投稿中で次年度以降に公刊される予定である.また,以下の研究成果は公刊された. 5.離散伊藤解析をめぐる成果…数値解析への応用,数理ファイナンスの離散モデルへの応用,とりわけ金利モデルへの応用(青木宏樹氏,永田善彦氏との共同研究) 6.2次金利モデルの無限次元への拡張(原啓介氏との共同研究)
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