2007 Fiscal Year Annual Research Report
非相対論的場の量子論における二体問題の作用素解析学的研究
Project/Area Number |
18540180
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
廣川 真男 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70282788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣島 文生 九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (00330358)
田村 英男 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30022734)
大下 承民 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (70421998)
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Keywords | 非相対論的場の量子論 / ポーラロン / バイポーラロン |
Research Abstract |
非相対論的場の量子論に従う粒子に対して,量子場のエネルギーの低い運動量で起こる赤外発散の問題を考え,赤外発散により粒子の基底状態を形成する場合の十分条件と,赤外発散を生じ粒子が基底状態を形成できないための十分条件を与えた.一方,赤外発散を回避できる条件下で本研究で得た数学の理論を,固体物理におけるポーラロンの2体問題に応用した.ポーラロンとは結晶格子中の電子が,格子振動を量子化したフォノンと相互作用した粒子で,フォノンは2つの電子を結びつける引力の役割をする.2つの電子間にはクーロン斥力が働くが,フォノンによる結合の度合いが小さいときは,2つのポーラロンとなりそれらは束縛し合わない.逆に,フォノンによる結合の度合いが強くなると,2電子間の斥力に打ち勝ち2つのポーラロンは束縛し合いバイポーランを形成することを示した.
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Research Products
(2 results)