2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
儀我 美保 東京大学, 大学院数理科学研究科, 研究拠点形成特任研究員 (20422397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 克幸 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (40232227)
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Keywords | 非線形現象 / 界面運動方程式 / 粘性解 / 非線形偏微分方程式 / 結晶成長 / 画像処理 / 曲率流方程式 / 退化放物型方程式 |
Research Abstract |
結晶成長の界面運動は、しばしば曲面や曲線の非線形拡散型発展方程式で記述される。結晶の界面構造の方向に依存する異方性を考慮する場合、非等方的曲率κと呼ばれる効果を導入する必要が生じる。これは、狭義凸の表面エネルギー密度αが単位球面上で与えられた場合の曲面Sに対する表面エネルギーの第一変分にあたり、形式的にはκ(ξ)=divξ(n(x))と書ける。ここでn(x)は曲面Sの点xの単位法線ベクトル、αは正斉次一次拡張、ξ=gradαである。この様な特異な表面エネルギー密度を許容する設定での界面の発展方程式の解明に向けて以下を行った。 まず、等方的な場合について研究分担者の石井克幸は、外力の付いた平均曲率流をアレン・カーン方程式で近似した際の収束の速さの研究に取り組んだ。近似した際の収束の速さについて、近似解の制度を上げる事により、最良評価を導き、Katsuyuki Ishii, Optimal rate of convergence to the motion by mean curvature with a driving force, Advances in Differential Equations(in press)にまとめた。 ショックの表れうる発展型とは限らない、スカラーの一階ハミルトン・ヤコビ方程式を解析するために、解のグラフy=u(t, x)を(x, y)平面で運動する曲面とみなし、ショック付近でのオーバーターン現象を防ぐために、鉛直方向(y-軸方向)のみに有効な非等方的曲率効果κを付加(垂直拡散と呼ぶ)した界面方程式を解析する方法が近年示唆された。この方法の確立を目指し、まず垂直拡散係数の適切な大きさの範囲を、研究代表者の儀我美保が中心に調べた。この係数は無限大である必要は無く、非線形項の構造とショック付近の解の値から導出される一定の値を超えていれば、オーバーターンを防ぐ事を示唆する結果を得たので、論文発表の準備を行った。
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