2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 央明 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (00311184)
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Keywords | 天文 / 太陽物理学 / プラズマ・核融合 |
Research Abstract |
本研究は、太陽や天体でみられる活動現象、すなわち高温プラズマと磁場との相互作用が本質的物理であるような現象について理論的・観測的に理解することを全体的な目的とする。 本年度には、以下のような課題に取り組んだ。(1)乱流磁気リコネクション:太陽フレア・エネルギー解放の素過程である磁気リコネクションに対する磁気流体有限振幅擾乱の影響を3次元数値シミュレーションで調べた(Yokoyama & Isobe執筆中)。(2)「ひので」衛星データを用いた、太陽コロナ中の磁気波動の観測的研究:コロナ加熱を説明する過程としてコロナAlfven波を熱拡散する可能性が議論されている。「ひので」衛星においても、とれは最重要課題のひとつと位置付けられる。この研究では、「ひので」衛星搭載の紫外線撮像スペクトル計(EIS)を用いて、Dopplerシフトの空間・時間分布を調べ、コロナ中の磁気波動を捕えてそのエネルギーを求めた(Kitagawa et al.として投稿中)。(3)太陽表面にみられる磁場観測について、キャンセレーションとよばれる見かけ上磁極が対消滅する現象がじっさいは磁束沈下現象であるという成果を得た(Iida et al. 2010として出版)。(4)太陽表面下より浮上する磁場について、数値シミュレーションによりその2段階浮上を調べた(Toriumi & Yokoyama 2010として出版)。(5)太陽活動周期ダイナモについて、表面熱対流乱流拡散の効果が重要であるという提案をおこないシミュレーションでそれを実証した(Hotta & Yokoyama 2010aとして出版)。また、太陽磁場の南北対称性について、同じく表面熱対流乱流拡散の効果を考慮にいれて詳細に検討した(Hotta & Yokoyama 2010として投稿中)。(6)フレアにともなう高エネルギー粒子発生について、野辺山電波ヘリオグラフ、「ひので」衛星、RHESSI衛星のデータ解析を実施した(Minoshima et al.2009, Asai et al.2009として出版)。
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