2008 Fiscal Year Annual Research Report
カーブラックホール近傍での磁気リコネクションによる相対論的ジェット形成機構の解明
Project/Area Number |
18540236
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小出 眞路 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20234677)
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Keywords | カーブラックホール / ブラックホール磁気圏 / エルゴ領域 / 磁気リコネクション / エネルギーの引き抜き / 一般相対論的電磁流体力学 / GRMHD / 活動銀河核 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は相対論的ジェット形成など激しい現象が伴うブラックホール磁気圏における磁気リコネクションの重要性を明らかにすることである。最終的には抵抗性・一般相対論的電磁流体力学(GRMHD)の長時間数値計算を行い,とくにジェット形成における磁気リコネクションの役割の解明をめざす。本研究課題の中心的課題である抵抗性GRMHD計算プログラムについてはその開発を始めた平成18年度に因果律の問題に突き当たり開発は頓挫した。平成19年度にはブラックホール磁気圏での磁気リコネクションの関わる現象について数値計算に頼らず解析的な検討を進め,そのカーブラックホール回転エネルギーの引き抜き機構を提案した。 平成20年度はブラックホールのまわりで起こる磁気リコネクションに関連した現象を解明するために抵抗性GRMHD数値計算の基礎方程式の検討を行った。ここで,これまで用いられてきた理想GRMHDのオームの法則に単純に電気抵抗を入れると因果律を満たさなくなる原因を明らかにし,一般化されたオームの法則を用いる必要性を示した。さらに,電子・イオンプラズマと電子・陽電子プラズマのそれぞれの特性を考慮した一般化された相対論的MHD方程式を提案し,その方程式系の基本的特性を明らかにした。そこで線形解析など比較的簡単に求められる解析解について示した。今後,その方程式系を用いた数値計算を行うための方法の開発を行い,大規模計算につなげる予定である。
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