2008 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的輻射流体の基礎研究および亜光速ジェットへの応用
Project/Area Number |
18540240
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
福江 純 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 教授 (80173326)
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Keywords | ブラックホール / 降着円盤 / 宇宙ジェット / X線連星 / 活動銀河 / ガンマ線バースト / 相対論的輻射流体力学 / 相対論的輻射輸送 |
Research Abstract |
ブラックホール降着流や亜光速宇宙ジェットそしてガンマ線バーストなど、きわめて高エネルギーの宇宙現象を解き明かすためには、相対論的輻射流体力学は相対論的磁気流体力学と共に、非常に重要な手法である。しかしながら、相対論的磁気流体力学が定式化され実用に供されているのに対し、相対論的輻射流体力学は定式化がまだ不完全で、基礎過程自体に研究すべき点が多々残っている。 本研究では、相対論的輻射流体力学の定式化に対して、(A)新しい提案を含んだ定式化を行うと同時に、(B)宇宙ジェットなど高エネルギー亜光速流に対して応用を試みようとしている。これらの研究と平行して、(C)このような相対論的風中での輻射輸送問題にも取り組んでいる。 初年度は、(A0)速度に依存する変動エディントン因子を提案し、(B0)それを用いて平行平板輻射流や球対称輻射流を解き、さらに(C0)降着円盤中での輻射輸送の解析解を得た。 2年度は、(A1)変動エディントン因子が4元速度の対数の勾配に依存することを解析的に導き、また(Bl)平行平板近似や球対称近似で輻射流体力学風を解き、さらに(C1)相対論的に一般化されたミルン-エディントン解を発見した。相対論的球対称風の光球の形状についても調べた。 最終年度である本年度は、2年間の蓄積を踏まえ発展させ、まず(A2)より一般的な場合について、相対論的平行平板流における相対論的変動エディントン因子の形を半解析的に導出した。また(B2)主として球対称の場合にっいて、相対論的変動エディントン因子を与えて、相対論的輻射流体風を解いた。さらに(C2)相対論的球対称風について、速度が一定で共動系での光度が保存されると仮定して、光球の形状や見え方および観測される光度の速度依存性などを計算した。 以上の成果は、ブラックホール近傍から吹き出すブラックホール風など、相対論的天体周辺での相対論的輻射流体流の問題に関する基礎的な知見を与えるものである。
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Research Products
(22 results)