2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540322
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小栗 章 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (10204166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 裕規 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60373239)
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Keywords | 量子ドット / 近藤効果 / ジョセフソン効果 / 強相関電子系 / 数値くりこみ群 / 非平衡量子輸送 / 国際研究者交流 / イギリス:ドイツ |
Research Abstract |
今年度は特に、超伝導体に接続された量子ドットにおける近藤効果、Josephson効果、Andreev散乱の競合が、輸送現象と磁性に与える影響を中心に研究を進めた。以下、主要な成果を列記する。 (1)超伝導体中の近藤系の基底状態は、超伝導ギャップと近藤温度より大さに依存し、非磁性のシングレットか、磁性を持ったダブレットのどちらかになる。従来は、近藤温度によるスケールされるパラメータ領域が主として問題にされていた。我々は、量子ドットではスケーリングからのずれが重要であることを指摘した。我々は、この効果は特にギャップがクーロン相互作用より大きな場合には現れることを確認し、この性質が簡単化された模型により良く理解されることを明らかにした。 (2)量子ドットのGreen関数のω依存性の計算を行い、超伝導ギャップ中に現れるAndreev束縛状態のエネルギー・重みなど、1粒子スペクトル関数の詳細を数値くりこみ群による計算から明らかにした。また、Josephson接合中で超伝導ギャップの位相差により基底状態が受ける影響を広いパラメータの範囲で詳細に調べ、トンネル接合の非対称性が近接効果と磁性に強く影響を与えることを示した。 (3)超伝導-量子ドット-常伝導接合系の低エネルギーの物性が局所Fermi流体として理解されることを示し、かつこの局所Fermi流体のLandauパラメータの値を数値くりこみ群を用いて精密に決定した。
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