2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540427
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
吉田 二美 National Astronomical Observatory of Japan, 国際連携室, 専門研究職員 (20399306)
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Keywords | 小惑星 / 自転周期 / 宇宙風化 / サイズ分布 / 衝突現象 |
Research Abstract |
本研究の目的は、形成年代が新しいために、現在までに軌道進化・衝突進化をあまり受けておらず、族形成時の衝突イベントの情報を保持している可能性の高い若い3つの小惑星族(Karin族、Iannini族、Veritas族)に着目し、各族構成員の様々な物理特性を観測することにより、天体衝突破壊の物理と小惑星の表面年代を調べることである。この目的のために我々は単色及び多色測光観測を実施している。単色の測光観測により小惑星の光度変化を測定し、自転周期、形状、サイズ等を決定することができる。これらの物理パラメータは衝突破壊規模、母天体の大きさや内部構造等を推測する上で重要な情報源である。多色の測光観測により得られる表面反射スペクトルは、時間とともに進行する小惑星表面の宇宙風化の様子を物語る。形成年代のわかっている小惑星の表面反射スペクトルを調べて小惑星表面年齢と宇宙風化度の指標を作れば、形成年代が不明の小惑星の表面年齢をも推定可能になる。 観測は平成18年度までは米国のVatican天文台、Steward天文台、南アフリカのIRSF、ウズベキスタンのMaidanak天文台の望遠鏡で行っていたが、国立天文台とMaidanak天文台の所属するウルグベク天文研究所が共同研究協定を結び、Maidanak天文台の60cm望遠鏡での長期継続観測が可能になったので、平成19年度からはMaidanak天文台で集中的に観測を行っている。平成20年度には約20個の小惑星の変光曲線と反射スペクトル取得のための観測を行った。現在データ解析中である。 平成21年3月にウルグベク天文研究所長を国立天文台に招聘し、Maidanak天文台の望遠鏡と観測ドームの整備を含めた今後の観測計画を話し合い、さらに国立天文台とウルグベク天文研究所間の共同研究協定の延長(平成24年3月まで)を行った。
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Research Products
(6 results)