2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しいSuperDARN高空間・時間分解能観測手法による極域電磁圏の研究
Project/Area Number |
18540446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
行松 彰 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (70260007)
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Keywords | SuperDARN / 極域電磁圏 / ドップラースペクトル / FAI / 電離層加熱 / 生時系列取得モード / 周波数領域干渉計 / デジタル受信機 |
Research Abstract |
Yukimatu and Tsutsumi, GRL, 2002で開発した、SuperDARNレーダーを用いた、生時系列観測・解析手法を発展させ、周波数領域干渉法(FDI)をSuperDARNレーダー制御ソフトに組み込む開発を行い、まず、2周波を用いたFDI法での流星観測で、観測が問題なく可能で、レンジ方向に高空間分解能の観測が可能であることを、oversampling手法や干渉計法との比較により確認した。更に、この手法を発展させ、より一般的な、多周波によるFDI法を生時系列観測手法に組込むソフトウエアの開発を行い、2007年2月7日3月1日に英国レスター大学(Mark Lester教授)を訪問し、新しい観測手法についての観測方法、解析手法について協議を行い、開発された制御システムをCUTLASS SuperDARNに組み込み、EISCAT Tromsoにある電離圏加熱装置で人工励起された沿磁力線不規則構造(FAI)をSuperDARNレーダーでの多周波FDIモードで初めてとなる観測を実施した。電離圏の擾乱を少ない条件のよい期間の観測データも取得することができ、同時に行われたEISCAT Tromso UHFレーダーによる観測結果とともに、この観測データの解析は緒についたばかりであるが、Tromso UHFレーダーでは高時間分解能の2次元の電子密度、温度等の分布等が得られ、加熱領域の空間的な広がりを捉えるとともに、イオン音波擾乱に起因する受信パワーの大きな変動が1秒以下の時間スケールでみられ、同時に、SuperDARNレーダー高時間分解能観測でも、加熱領域における同様の極めて大きなエコーパワーの変動を観測しており、相互の関連、これを引き起こす物理、FAIの生成消滅等に関係した新たな知見を得るべく、鋭意努力しているところである。また、アラスカ大より、デジタル受信機ボードを購入し、国立極地研究所において、デジタル受信機を用いたSuperDARNレーダー観測の為のソフトウエア開発を開始した。
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