2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しいSuperDARN高空間・時間分解能観測手法による極域電磁圏の研究
Project/Area Number |
18540446
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
行松 彰 National Institute of Polar Research, 研究教育系, 准教授 (70260007)
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Keywords | SuperDARN / 極域電磁圏 / ドップラースペクトル / FAI / 電離圏加熱 / 生時系列取得モード / 周波数領域干渉計 / デジタル受信機 |
Research Abstract |
Yukimatu and Tsutsumi, GRL, 2002で開発した、SuperDARNレーダーを用いた、生時系列観測・解析手法を発展させ、多周波による周波数領域干渉(FDI)法をSuperDARNレーダーで実現する為の開発を行い、EISCAT電離圏加熱装置(ヒーター)で人工励起された沿磁力線不規則構造(FAI)のFDI観測データの解析を精力的に進めた。特に、単周波生時系列データ解析からは、ドップラースペクトル中、相関時間や時間発展の異なる2乃至3種のスペクトル成分が共存することを初めて見出し、位相の「とび」の解析から、観測領域内部のFAIの消長と直接的に関係している可能性が高いことが示された。多周波FDI観測データの解析から、通常のレンジ分解能の更に内部の構造が求められ始めた。これには、初期位相の決定が不可欠であり、これを近距離流星エコーから決定し、遠方のデータに適用したが、正当な解が求められないという問題点に行き当たった為、遠方FAIデータのである仮定の下初期位相を決定し、レンジ方向の分布の時間発展を求める試みによりもっともらしい結果を得たが、この解の一意性は証明されていない。又、FDI観測手法が、通常のACF観測を損ねない前提で開発された為に短い相関時間に対応した現象の再現を阻害していると推測された為、2008年に英国レスター大学との共同で、ヒーターによる人工FAIの、SuperDARNで初となるシングル及びダブルパルス法によるFDI観測を実施し、良好な観測データを取得することができた。更に、より安定で且つより柔軟性に富んだ観測モードを実現する為に、デジタル受信機の導入の為の準備を行い、これを南極昭和基地レーダーに導入することに成功した。また、高空間・時間分解能観測の確立の為、FDI観測手法と数学的には等価な、方位角方向のイメージング手法や、レンジ分解能を改善する為により直接的なパルスコーディング法による観測手法の開発も行い、研究の総括を行った。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Response of large-scale ionospheric convection to substorm expansion onsets : A case study2008
Author(s)
Miyashita, Y., K. Hosokawa, T. Hori, Y. Kamide, A. S. Yukimatu, M. Fujimoto, T. Mukai, S. Machida, N. Sato, Y. Saito, I. Shinohara, J. B. Sigwarth
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Journal Title
Journal of Geophysical Research 113, A12309
Pages: doi : 10.1029/2008JA013586
Peer Reviewed
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