2008 Fiscal Year Annual Research Report
真の続成作用評価のための、現地性化石花粉の分離、識別と有機熟成度測定
Project/Area Number |
18540449
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
氏家 良博 Hirosaki University, 大学院・理工学研究科, 教授 (50151858)
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Keywords | 続成作用 / 有機熟成 / 花粉化石 / 赤外吸収 / 化石有機物 |
Research Abstract |
基礎試錐「本荘沖」と「由利沖中部」のコア声よびカッティングス試料、および青森県津軽地域の地表ルートから採取した露頭試料から、塩酸とフッ化水素酸により化学的に有機物を分離した。実体顕微鏡下でその有機物からマツ属、モミ属、トウヒ属等の有翼型花粉化石を識別し、単体に分離する。また、続成作用(有機熟成)のシミュレーションとして、現生のクロマツ花粉を人工的に加熱して取り出した試料を同様に顕微鏡下で単体に分離した。分離した花粉は単体ごとに、申請者らが考案したアルミ箔を利用した試料土台に載せ、赤外顕微鏡を接続したフーリエ変換赤外分光光度計により赤外吸収スペクトルを測定し、CH_2、CH_3、C=0、芳香族C=Cの各官能基の吸光度を算出した。同時に、画像解析ソフトを用いて、花粉の色調、特にRGB系の強度、色相、明度、彩度を測定した。さらに、有機熟成指標であるビトリナイト反射率、統計的熱変質指標を測定し、これら三者の値を互いにクロスチェックした。続成作用の進行(埋没深度の増大)につれて、CH_2、CH_3、C=0、芳香族C=Cの各官能基の吸光度及び統計的熱変質指標は規則的に減少し、ビトリナイト反射率は増大することが明らかとなった。これら研究成果の一部は、基礎試錐試料の提供を受けた独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構に発表許可を得た上で、9月にスペイン、オビエドで開催された国際石炭岩石学会(ICCP)と有機岩石学会(TSOP)の合同国際会議及び6月に新潟で開催された石油技術協会春季講演会で公表した。
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Research Products
(4 results)