2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540453
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
加納 隆 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (60108264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今岡 照喜 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30193668)
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Keywords | 地質学 / 花崗岩 / 飛騨帯 / 隠岐島後 / 大陸地殻 / 基盤岩 / ダルワールクラトン |
Research Abstract |
研究代表者の加納は,1.前年度に新たに見出した隠岐島後の基盤岩中のS-type花崗岩と,飛騨帯において同様の産状を示す花崗岩(ミグマタイト質花崗岩)との比較検討を行った.その結果,産状は同じでも母岩の片麻岩の岩相構成と対応して両者に違いがあること,飛騨帯は泥質岩に乏しく,また同じ泥質岩でも石灰質であるため,これらに伴うミグマタイト質花崗岩は全岩組成ではI-type的となることを見出した.さらに,従来飛騨-隠岐帯として一括されてきたが,両者は異なる地質体に帰属する可能性が大きいことを示した. 2.飛騨帯神岡鉱床の母岩として知られる,伊西ミグマタイト中に見られる変質現象を検討し,熱水変質に伴うカリ交代作用と鉱物変化を解明した. 3.大陸基盤の火成活動の典型の1つとして,インドダルワールクラトンの花崗岩及び関連火成岩の野外調査を現地バンガロール大学の共同研究者とともに行い,シンプルトニック岩脈の存在と産状を明らかにした.これらは,始生代におけるマグマ混合現象を示唆するものであり,その産状は今岡らによる西南日本の白亜紀花崗岩に伴うものとよく類似することが分かった.また火成岩類の全岩分析等の結果をまとめて論文とした. 研究分担者の今岡は,西南日本の花崗岩及び関連火成岩類の同位体組成と岩石学的性質について検討し,白亜紀-古第三紀火成活動における位置づけ・年代論を明確にした.これらは,飛騨帯における同時期の花崗岩活動との対比における基礎データとなる.
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Research Products
(3 results)