2007 Fiscal Year Annual Research Report
四国の付加体の斜面地質工学的研究-四国の山は尾根から裂ける-
Project/Area Number |
18540456
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
横山 俊治 Kochi University, 理学部, 教授 (20325400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 健司 富山大学, 理学部, 准教授 (90422625)
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Keywords | 2004年新潟県中越地震 / 2005年福岡県西方沖地震 / 2006年三重県宮川災害 / 線状凹地 / 開口クラック / 重力性傾勤構造 / 岩盤クリープ / 斜面崩壊 |
Research Abstract |
2004年新潟県中越地震では、層理面とそれに高角度の節理を使って分離した砂質シルト岩ブロックがケスタ地形をなす山稜の階崖側からケスタの背面の斜面を滑動あるいは転倒している例や、節理に規制された開口クラックが尾根に集中している例など、地震動による破壊は尾根に集中していることを示す事例を多数得た。中越地域のようなやせ尾根の頂部、あるいはH18年度に調査した2005年福岡県西方沖地震による玄界島の例のように平坦な尾根であっても急崖に移り変わる遷急線付近では、地震動による地震性ノンテクトニック断層が形成されやすいことが分かった。高知県仁淀川町の大引割では、白亜系の上に北から南チャートが衝上し、尾根を構成していることが明らかになった。そのチャートの中に南から規模の大きな線状凹地とふたつの開口クラック(大引割そして小引割)が走っている。地形を復元すると、各クラックはほとんど傾動していない。本年度は小引割の開口クラック群を詳しく調査した。開口クラックの主要な壁面はチャートの層理・節理・小断層に規制され、さらに小さく分断されたブロックが開口クラック内に多数落ち込み充填している。小引割の両端からはさらにクラックが延長しているらしい。小引割のそのすぐ北のチャートの崖面には深部に達する開口クラックが現れており、多数のチャートブロックが崩落している。大引割の開口クラックの深度は約30mでほぼチャートの層厚に等しい。線状凹地や小引割のクラックもチャート層の下底面まで達しているものと推定している。このような尾根のクラックは地震動起源である可能性が高い。これに対して、三重県多気郡大台町栗谷とその周辺に分布する三波川帯に属する結晶片岩からなる重力性傾動構造は谷側への曲げ褶曲を伴う岩盤クリープによるもので、付加体に典型的な非地震性の初期的斜面変動である。2006年の三重県宮川災害では、クリープ変形をした斜面で大小様々な斜面崩壊が発生した。
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Research Products
(21 results)
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[Presentation] Early Cretaceous sinistral deformation in the Inner side of Japan:conical folds and associated shear zones2007
Author(s)
Otoh S., Aoyama, M., Matsunaga, E., Murata, M. and Kashiwagi, K.
Organizer
Eurasian Geological Seminar 2007; Geodynamic processes of Asia:its origin, crustal evolution, and natural resources potential
Place of Presentation
Ulaanbaatar, Mongolia
Year and Date
20070718-28
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