2008 Fiscal Year Annual Research Report
四国の付加体の斜面地質工学-四国の山は尾根から裂ける-
Project/Area Number |
18540456
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
横山 俊治 Kochi University, 教育研究部自然科学系, 教授 (20325400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 健司 富山大学, 理工学研究部(理学), 准教授 (90422625)
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Keywords | 大引割 / 橘地すべり / 谷ノ内地すべり / 線状凹地 / 地すべり構造 |
Research Abstract |
1.大引割地域の開ロクラックの調査 大引割は四国山地の尾根に存在する最大の開ロクラックで,発生場の地形・地質条件・クラックの構造から推察して、地震起源の可能性が非常に高い。レーザー測距儀を用いて小引割の複雑なクラックパターを解明すると共に、大引割・小引割の西方延長域に発達するクラックパターンについても明らかにした。小引割の複雑なクラックパターンは2005年福岡県西方沖地震で発生した玄界島のノンテクトニック断層の内部構造と類似しており,地震起源を暗示している。また、周辺の地質構造調査を実施し,開口クラック群が発達するチャートが白亜紀の地層に衝上しているナップであることが分かった。規模の大きなクラックはナップ過程に達している可能性が大きい。 2.岩盤地すべりと尾根の線状凹地との関係解明調査(谷ノ内地すべりと打木地すべりを例として) 両地すべり共に、線状凹地から分離し地すべり移動体が形成された可能性が高くなった。とくに谷ノ内地すべりにおいては、尾根に生じた線状凹地がさらに分離・開口していく状況が地形に記録されていることが分かった。打木地すべりでは,線状凹地に沿って断層が走っており、その断層に規制されて、まず線状凹地が形成され、続いてそこが地すべり移動体頭部と滑落崖徒の間の凹地に成長したことが明らかになった。これらの事例により,開口クラック発生から狭義の地すべりへの進展が明らかになった。
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