2006 Fiscal Year Annual Research Report
迅速TMAH-GC-MS法による堆積物中有機物分析の新展開
Project/Area Number |
18540484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
山本 修一 創価大学, 工学部, 教授 (20182628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米川 宣一 創価大学, 工学部, 講師 (10367188)
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Keywords | 花粉 / リグニン / TMAH法 / 環境変動 / 有機地球化学 / 堆積物 |
Research Abstract |
本年は主に以下のことを行った。 Offline-T甑H-GC-MS法の検討 これまで堆積物中のリグニン類の分析には、Online-TMAH-GC-MS法を用いてきたが、花粉の少ない試料では試料量を多くできるOffline法の方が適当であることから、TMAH試薬と試料の反応条件の検討を行った。その結果、250℃、45-60分が最も適当であることが分かった。Offline-TMAH法は、特に氷期のような花粉が少ない時期の堆積物試料の分析に適していることが明らかになった。 花粉中のリグニン分析 代表的な花粉を約30種採取し、その化学成分の分析をOnlineおよびOffline TMAH法によって分析した。その結果、クロマツ、ハイマツなどのマツ科植物の花粉は、リグニンのp-クマル酸を、またヒマラヤスギはフェルラ酸を多く含んでいることなどが明らかになってきた。 堆積物試料のリグニン分析結果の再検討 バイカル湖堆積物(約13間年間)の分析結果を再検討した。その結果、後氷期では顕微鏡による花粉分析結果とリグニンの分析結果は概ね対応していることが示された。しかしながら、顕微鏡によって花粉分析を行った試料とリグニン分析を行った試料が同一でないこと、また氷期では有機物量が極めて少ないことから、再度同一試料によりOffline法による検討が必要であることがわかってきた。一部の成果を、Ishiwatari, R., Yamamoto, S. and Shinoyama, S. (2006) Lignin and fatty acid records in Lake Baikal sediments over the last 130 kyr : A comparison with pollen records. Organic Geochemistry, 37, 1787-1802に発表した。
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Research Products
(4 results)