2008 Fiscal Year Annual Research Report
南極氷床に刻みこまれた超新星爆発の痕跡探査とその解析
Project/Area Number |
18549002
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
五十嵐 誠 The Institute of Physical and Chemical Research, 牧島宇宙放射線研究室, 協力研究員 (50435624)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 優子 独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 仁科センター研究員 (90332246)
高橋 和也 独立行政法人理化学研究所, RI製造応用チーム, 専任研究員 (70221356)
中井 陽一 独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 専任研究員 (30260194)
|
Keywords | 堆積年代 / イオン濃度分析 / 氷床コア / 南極 / ドームふじ / 火山噴火 |
Research Abstract |
南極ドームふじ基地において掘削された氷床コアおよそ100m分についてイオン濃度分析を実施し、硝酸イオン濃度プロファイル中の十数箇所に超新星爆発起源と思われる高濃度スパイクを検出した。これらの発現年代を推定するため、今年度は氷の堆積年代(深度と年代の関係)を精度良く求めることを主眼においた。 これまでの過去1000年間の氷の年代軸は、氷表面の直流電気伝導度測定(ECM)によって検出された顕著な2つスパイクを、それぞれ既知の火山噴火の年代と対応させ作成したものであった。本研究では、火山噴火以外の要因がスパイク形成する可能性があるECMでなく、火山噴出物中に大量に含まれる硫黄酸化物が氷中に保存された硫酸イオンを直接、高時間分解能で測定し、濃度プロファイル上に現れたスパイクを火山学からまとめられた大規模火山噴火の記録リストと照合する方法で年代軸作成を進めた。その結果、過去740年間において、ECMより同定された2つの火山起源スパイクの他に、新たに10個の硫酸イオンスパイクを火山起源と判別することができ、年代が知られている大規模火山噴火と対応づけができた。この成果により、氷床コア堆積年代の精度は格段に向上し、Igarashi et al.が研究論文"Dating of the Dome Fuji shallow ice core through volcanic eruption records. From 1260AD to 2001AD"として投稿準備中である。更新した氷の堆積年代の一部を超新星爆発の発現年代推定に用い、Motizuki et al.が"An Antarctic ice core recording both supernovae and solar cycles"としてNatureに投稿した。
|
Research Products
(4 results)