2007 Fiscal Year Annual Research Report
ケージ型構造の内部空間における多核金属活性中心の構築と制御
Project/Area Number |
18550053
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
舩橋 靖博 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (00321604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 智宏 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (70270999)
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Keywords | かご状分子 / ケージ型三核銅錯体 / マルチ銅酵素モデル / 多核マンガン錯体 / 酸素発生部位モデル / 三核パラジウム錯体 / ゲスト分子捕捉 |
Research Abstract |
本研究では,遷移金属を含むクラスターをかご状の分子の中で簡単かつ安定に合成し,反応中にそのクラスター構造が散逸することなく人工酵素型金属活性点として機能することを目指している。ラッカーゼなどのマルチ銅酵素に含まれる酸素分子の4電子還元部位の構造のモチーフを合成することには成功している。このかご型配位子Lを用いてAr下で合成した[Cu^<II>_3L(OH)_2(H_2O)](ClO_4)_4(1)は,各銅中心に水またはヒドロキソイオンが配位したアコ、ジヒドロキソ錯体であり,大気中の二酸化炭素と速やかに反応し,[Cu^<II>_3L(CO_3)](ClO_4)_4(2)となった。このかご型配位子は,さらに他の遷移金属イオンにも適用できることが分かり,これまでに三核マンガン,三核パラジウム,三核コバルトなどのクラスター型錯体の合成に成功した。現在,異種三核遷移金属錯体の合成が進行中である。三核マンガン錯体においては,[Mn_3(L)(CO_3)(OCOCH_3)(CH_3OH)_2(ClO_4)](ClO_4)_2の合成に成功した。このこのかご型分子のコア中心に結合した炭酸イオンは,前駆体としてアコ、ジヒドロキソ錯体を持つと考えられ,これらの水分子が多核マンガン中心において酸化されれば理想的な酸素発生錯体になる。また三核パラジウム錯体においては,1HNMRにより,この分子のコア中心では,捕捉したゲスト分子に金属中心に対する配位とかご配位子骨格の非共有結合性相互作用を観測した。三核コバルト錯体でも様々なアニオン種に対して同様なゲスト分子捕捉を行なうとともに,他の三核金属錯体や4核以上の多核錯体へと検討の幅を広げている。さらに以上の様なホスト空間を利用した酸化還元反応についても検討を行なった。
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