2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齊藤 惠逸 神戸大学, 発達科学部, 教授 (50162194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 優 金沢工業大学, 環境建設学部, 教授 (70339985)
児玉谷 仁 金沢工業大学, 生活環境研究所, 特別研究員 (30434468)
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Keywords | Ru(III)錯体 / 化学発光 / 複素環式芳香族化合物 / 発光反応機構 / イミノ酸 / 高感度同時分析 |
Research Abstract |
1.トリス(2,2'-ビピリジン)ルテニウム(III)錯体(以下Ru(III)錯体)と種々の化合物との発光反応について検討したところ,新たに以下の知見が得られた。(1)5員環の複素環式芳香族化合物が強い発光を与えることが分かった。置換基の種類,位置,数およびヘテロ原子の種類,数の異なる26種類の複素環式芳香族化合物を用いて分子構造と発光強度の関係を検討し,芳香環のπ電子密度が高いほど強い発光が得られることを明らかにした。(2)カルボキシル基をα位に持つ脂肪族第二級アミンが非常に強い発光を示すことが明らかとなった。 2.ヘテロ原子を1個含む5員環の複素環式芳香族化合物の中で最も強い発光が観測された2,5-ジメチルチオフェンの発光反応について詳細に検討したところ,以下の知見が得られた。(1)Ru(III)錯体と2,5-ジメチルチオフェンは2:1で反応し,反応生成物は5-メチルチオフェン-2-アルデヒドであることが明らかとなった。(2)発光強度のpH依存性をフロー法とバッチ法で検討したところ,pHが高いほど発光反応速度が速く,フロー法では反応終了間際の発光強度を測定していることを示唆する結果が得られた。(3)これらの結果とバッチ式発光検出器とサイクリックボルタンメトリー装置を組合せた装置による発光強度と酸化電位の同時測定およびチオフェン誘導体の水中での酸化反応に関するこれまでの報告から,プロトンの放出を伴うアミンの場合と類似の発光反応機構が推定された。 3-カルボキシル基をα位に持つ脂肪族第二級アミンが非常に強い発光を示すことに注目し,先天性代謝異常症の診断マーカーとして用いられている血中イミノ酸の同時分析法を開発した。本法によれば60分以内で4種類のイミノ酸の高感度同時分析が可能である。
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