2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱的に安定な2価ジルコノセン前駆体の合成と反応性に関する研究
Project/Area Number |
18550089
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 保 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 教授 (30163273)
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Keywords | ジルコニウム / インデニル配位子 / シクロペンタジエニル配位子 |
Research Abstract |
これまでの研究から、熱的に安定なトリス(インデニル)ジルコニウムヒドリド錯体から、容易に対応するビス(インデニル)ジルコナシクロペンタジエンを良好な収率で合成できることを見出している。本年度は、このジルコナシクロペンタジエンに対して四塩化チタンを作用させると、ジルコナシクロペンタジエンのジエン部位とインデニル配位子とのカップリング反応が進行し、対応するフルオレン誘導体が良好な収率で生成することを見出した。種々の金属塩化物を用いたが、四塩化チタンが最も良い成績を与えた。アルキル、アリール置換のジルコナサイクル、または2環式ジルコナサイクルでも同様に反応し、対応する置換フルオレン誘導体が得られた。また、この反応を低温で行ったところ、ジヒドロフルオレン誘導体が得られた。このことから、本反応は、形式的にジエン部位とインデニル配位子との間の[4+2]環化付加が起こり、反応温度の上昇とともにβ水素脱離によってジルコニウムが脱離することで、最終生成物が得られたと推測される。 さらに、同様のカップリング反応は、インデニル配位子以外にも、置換シクロペンタジエンを有するジルコナシクロペンタジエンでも見られ、対応するインデン誘導体が生成した。関連化合物の構造学的データの比較から、シクロペンタジエン、およびインデニル配位子と、ジエン部位との距離が、その反応性に大きく関与していることが示唆された。最も反応性の高いチタナシクロペンタジエンでは、その距離が最も短くなっている。また、ジルコナシクロペンタジエンでは、チタンの場合よりも反応性は低いが、配位子上に導入された配位子のかさ高さが増加するにつれ、反応性が向上することが分かった。四塩化チタンは、本カップリング反応では酸化剤としての作用が重要であると推測される。
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Research Products
(7 results)