2006 Fiscal Year Annual Research Report
食虫植物型分子の動的挙動を利用した新規機能性物質の開発
Project/Area Number |
18550131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
幅田 揚一 東邦大学, 理学部, 教授 (40218524)
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Keywords | 食虫植物 / 銀 / サイクレン / 芳香族 / 分子認識 |
Research Abstract |
本年度は以下の4種類の化合物について検討を行った. 1.光学活性な部位を一ヶ所導入したテトラアームドサイクレンとして(i)光学活性部位を環に導入した化合物と(ii)側鎖のベンジル位にメチル基などの置換基を導入した化合物の2種類を合成した.これらに銀イオンを添加したときの円偏光二色性スペクトルを測定したところ,いずれも銀イオンを添加するとコットン効果の増大が観測された. 2.種々の芳香環側鎖を2個導入したダブルアームドサイクレンを合成し,それらの重金属イオンに対する蛍光特性を検討した.サイクレンと発色団の間にベンゼンスペーサーを導入した化合物において,金属イオンの濃度が従来報告されている濃度よりも一桁低いところまでセンシングすることができることを見出した. 3.二種類の芳香環側鎖を隣り合うように導入したサイクレン(12員環)を合成した.この化合物は加えた銀イオンの量論に対応して,その構造が変化する配位子であることがわかった. 4.食虫植物型分子の芳香環の先にエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,および採りエチレングリコールモノメチルエーテルを導入した化合物を合成した.これらの化合物のうち,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール誘導体の銀錯体はいずれもナトリウムイオンを選択的に捕捉すること.およびエチレンオキシド鎖が長いものほど安定なナトリウムイオンと安定な錯体を形成することを見出した.
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