2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタンのナノ微細構造制御による超高性能光触媒の創製
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18550183
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 章 Hachinohe National College of Technology, 物質工学科, 准教授 (30198709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 嘉孝 独立行政法人国立高等専門学校機構八戸工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (00290685)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / 角柱状 / 酸素欠損 / 配位 |
Research Abstract |
本研究は、酸化チタン光触媒の合成にあたり粒子形態や比表面積、結晶性に加え、Tiの化学状態等について検討することによって、有害物質を高速分解する光触媒の創製を目指すものである。 平成19年度は、酸化チタン光触媒の合成条件について引き続き検討を行うとともに、光触媒活性をはじめとする各種物性評価を行った。様々なジオール類とチタンアルコキシドより酸化チタン前駆体であるチタンジオレートの合成を行い、これを熱分解して酸化チタンを得た。合成に用いたジオール類のOH基が、1,2-ないし1,3-位の場合、明確な結晶構造を示すチタンジオレートが生成した。チタンジオレートを熱分解した酸化チタンの光触媒活性は、1,3-ブタンジオールを溶媒に用いた角柱状酸化チタンがもっとも高い活性を示した。角柱状酸化チタンについてEXAFSを用いて局所構造解析を行ったところ、エタノールやエチレングリコールを溶媒に用いた酸化チタンの配位数は5.8〜5.9と市販のアナターゼ型酸化チタンと同程度あるのに対して1,3-ブタンジオール溶媒を用いたものは配位数5.1と通常の酸化チタンより低い値を示していた。また、XPSでは、酸素欠損構造を示すことから、安定なチタンジオレートが急激に熱分解して生成した酸化チタンは、TiO_<2-X>でかつ配位不飽和な構造であることがわかった。さらに、FT/IRやTPDによって、酸化チタン表面のOH基について検討したところ、角柱状酸化チタンは通常の酸化チタンとは異なる吸着状態のOH基が存在していた。角柱状酸化チタンの高い比表面積と一部の欠陥構造が光触媒活性の向上に寄与していると考えられた。
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