2007 Fiscal Year Annual Research Report
高性能時間分解高周波電子スピン共鳴装置の開発と励起状態研究への応用
Project/Area Number |
18559001
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
イスラム サイフル Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (80431469)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 清語 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10127152)
|
Keywords | 光物性 / 化学物理 / 励起状態 / 磁性 / 高周波ESR / 電子スピン共鳴 |
Research Abstract |
高磁場高周波ESR装置の開発と応用研究について、以下のような成果が得られた。 1.装置の高速化のために、140MHz広帯域アンプを購入したが、このアンプとマイクロ波の検波器ダイオードとのインピーダンス(200オーム)のマッチングを行った。この結果、信号のロスがなくなると共に、高周波ESR装置に5nsの時間分解能が実現できた。 2.これを用いて、溶液中と低温固相中で、励起三重項-ラジカル系の励起多重項状態の高速信号を観測し、励起状態ダイナミクスとスピン緩和解析のデータを得た。 3.これまで感度の問題で観測が困難であった励起三重項-ラジカル系の励起多重項状態の熱分布信号を初めて観測した。これにより分布数が恩出で決まることから、スペクトルの解析が容易になり、励起多重項間のエネルギー差、交換相互作用Jを正確に評価することが出来た。 4.3のエネルギー差Jの解析により、より複雑にスピン分極した状態のスペクトルも解析可能になり、励起状態ダイナミクスやスピン緩和速度を決定することが出来た。 5.これらの観測。解析を2つのラジカル異性体を用いて行うことにより、励起ダイナミクスなどを決める重要因子の抽出に成功した。
|
Research Products
(9 results)