2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560037
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
向井 孝彰 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 教授 (10419674)
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Keywords | 波長変換 / 第二高調波発生 / 周期分極反転 / 導波路 / スペクトル / ショット雑音 / 過剰雑音 |
Research Abstract |
本年度は、周期分極反転(Periodically-poled)構造により擬似位相整合を実現したニオブ酸リチウム(LiNbO_3)非線形導波路(PPLN導波路)を用いて第二高調波発生(SHG)の実験を行った。Fiber-Bragg-Grating(FBG)外部鏡LDからの波長1064nmのポンプ光を長さ22mmのPPLN導波路に入射し、SHG過程により波長532nm(緑色)の第二高調波が高効率で発生することを確かめた。光源のFBG外部鏡半導体レーザのファイバ長を変化させて発信光の縦モードスペクトルを制御し、単一モードスペクトルと約100MHz間隔で約60本の縦モードからなる多モードスペクトルの2種類の光源を用いて実験を行った。ポンプ光からSHG光への波長変換の実験では、理論どおりにポンプ光パワーの2乗に比例してSHG光パワーが増加した。ポンプ光パワー66.7mWの入力に対し、24.6mWのSHG光が発生しており、全変換効率は37%にも達した。この波長変換の静特性では、ポンプ光源のスペクトルが単一モードであっても多モードであっても大きな差は見られなかった。しかし、SHG波長換光をアバランシェ・フォト・ダイオード(APD)で受光しRFスペクトラム・アナライザーでその雑音を測定した場合には、両者で大きな差が見られた。即ち、ポンプ光のスペクトルが多モードの場合には、雑音スペクトルに縦モード間のビート信号が大きな強度で現れ、これが後段の電気増幅器の利得を飽和させるために正確な雑音測定を行えなかった。一方、単一モードのポシプ光から発生するSHG光のスペクトルは本質的に単一でRFスペクトラム・アナライザー上にビート信号は現れず、SHG光の持つ雑音を測定することができた。光源の持つ過剰雑音も考慮して雑音を測定した結果、導波路出力光は過剰雑音を含まないショット雑音であることを明らかにした。この理由として、高出力を得るためにポンプ光源の動作点がしきい値の8.7倍と大きなバイアスレベルにあったため、ポンプ光がほぼショット雑音限界の雑音特性を示していたためと考えられる。このSHG光の雑音がショット雑音以下にスクイージングしている可能性はあるが、測定系の効率がまだ低いため、スクイーズド光の検出には至っていない。
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