2007 Fiscal Year Annual Research Report
輸送ネットワークのトポロジー変動と交通渋滞形成過程
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18560053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西成 活裕 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40272083)
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Keywords | 交通流 / ネットワーク / 渋滞 / セルオートマトン |
Research Abstract |
車のネットワークシミュレーションを作成する上で重要になる、合流部のモデル化を行った。まず、隣の車線の車の挙動を意識して、お互いがなるべく並ばないようにするルールを設定すると、合流時の危険性がかなり低下することが示された。さらに、ネットワークでの公共交通システムで、人の乗り降りがある場合について、そのダンゴ運転への危険性と回避方法について論文を発表した。これはアリのモデルを応用したものであり、ダンゴ運転の解消には電車と似たような閉塞区間の設定と他のバスの位置情報の提供が重要であることが明らかになった。次に人のモデル化についてであるが、本年度は実際に詳細な実験を行い、モデルのパラメータのキャリブレーションをおこなった。まず通路の対向流れであるが、人がある程度前方を予測して動くことで高密度でのブロック渋滞を回避することができることを示した。そしてボトルネックの流れでは、衝突関数の人数依存性などを考慮することで、実験結果を再現できることが分かった。そしてボトルネックからの流れを表す流動係数について、そのドア幅の線形性を仮定することで理論解を導出することができた。これにより、どのような人々の状態かが分かると、部屋からの退出時間を見積もることが可能になった。渋滞解消のアイディアとして、創発的アプローチを考えている。これは個が全体に影響を与えることで解消を図るもので、トップダウン型でない方法による渋滞解消を目指したい。これはコスト削減にもなり、また社会システムでの人間の協力関係をいかに構築するか、というゲーム理論的な問題とも密接に関係している。この観点からの基礎実験を本年度は実施した。
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Research Products
(9 results)