2008 Fiscal Year Annual Research Report
輸送ネットワークのトポロジー変動と交通渋滞形成過程
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18560053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西成 活裕 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (40272083)
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Keywords | 交通流 / 渋滞 / セルオートマトン / 渋滞学 / ネットワーク / A S E P |
Research Abstract |
車の渋滞について、特に織り込み合流の理論およびシミュレーションをおこなった。そしてこの合流部における流量低下を避けるために、車線変更禁止線を引くことで合流ポイントを遅らせるという新しいアイディアの詳細な理論解析をおこなった。その結果、自由流の合流で渋滞が発生していた場合、合流部を遅らせることで流量を下げずに渋滞緩和につながることを見出した。また、高速道路でのサグ部の渋滞緩和について、渋滞吸収走行の社会実験をおこなった。そして、渋滞領域に低速で近づくことで、その後の平均速度が回復することが示された。これは臨界密度以下を保ったまま走行することで可能になり、かつ減速によって上流部に渋滞波を伝えないことも明らかになった。また、交差点での交通の最適化案として、ルートごとの情報提供が複雑でカオス的な流れを生み出すことを見出した。 人の渋滞について、群集混雑の実験をおこなった。特に成田国際空港などの大規模施設における渋滞緩和を想定し、入国審査場での待ち行列の最適化について研究をした。ここで問題となるのは平行窓口の問題で、流れに平行に置かれた窓口では、近いところに殺到することにより不均一な行列になる非効率性があることを見出した。そのための解決策として、誘導線を引くことが効果的であることが示された。 生体内の渋滞として、RNAの転写のメカニズムを交通流を用いた生化学的なモデル化をした。さらに転写におけるノイズの影響などをシミュレーションによって調べた。
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