2006 Fiscal Year Annual Research Report
界面接触・弱接合効果による非線形超音波特性の定量評価と微視力学的・波動論的解析
Project/Area Number |
18560079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
琵琶 志朗 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (90273466)
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Keywords | 超音波 / 接触界面 / 高調波 / 非線形特性 / 接触面剛性 / レーザドップラ振動計測 / バースト波 / 摂動解析 |
Research Abstract |
界面接触・弱接合効果による非線形超音波特性の定量評価のためには、接触面や弱接合面に入射する超音波振動の変位を定量化できることが重要である。そこで、今年度は、レーザドップラ振動計を導入することにより、超音波の変位振幅を定量測定する測定手法の構築を行った。すなわち、現有の超音波バースト波送信システムによりアルミニウムブロックに縦波バースト波を送信した際の透過波を、圧電トランスデューサによって電気信号に変換して収録するのではなく、レーザドップラ振動計により振動速度に既知の係数で比例した電圧信号として収録し、それを速度に換算することにより、その積分波形として変位の絶対量を評価することを可能とした。これにより、入射波振幅が大きいほど顕著に発現する非線形超音波効果をより定量的に議論することを可能とした。結果として、所有する送信システムでは、例えば周波数2.25MHzでは数nmから十数nmの範囲の振幅の超音波をアルミニウムブロック接触面に入射できることが明らかとなった。また、導入したレーザドップラ振動形を用いて、一方向強化C/Cコンポジットや組物複合材料など複雑な強化形態を有する複合材料における表面波伝搬挙動を計測し、伝搬挙動に及ぼす微視構造の影響を明らかにした。 一方、理論解析では、固体接触面における分布突起の変形により決まる非線形力学特性のモデル化について検討し、非線形圧力-空隙幅関係に基づいて接触圧力依存型接触面剛性モデルを定式化し、非線形超音波効果のひとつである高調波発生特性を解析し、摂動法による近似解を導いた。
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